- 透析看護師が自分に向いているか知りたい!
- 透析看護師になりたいけど、自分に向いていなかったら働けない
- 透析看護に興味があるけど、詳しい業務内容がわからない…
専門的な看護分野のなかでも、さらにコアな分野の透析看護。興味を持ち始めても、詳しい業務内容がわからなくて一歩が踏み出せない人もいるのではないでしょうか?
透析看護師の働き方にマッチしていたら、短期間で辞めずに済みますよね。さらに楽しく働くことにもつながります。
この記事では、透析看護に向いている人・向いていない人を記載。未経験だった場合の給与例も説明しているので、転職の参考にしてくださいね。
透析看護師とは、透析中の看護や生活指導をする仕事

機器を使用して、働きが悪くなった腎臓の代わりに血液をろ過する人工透析。
医師と臨床工学技士と多職種連携を図り、業務を行います。
おもな透析看護師の役割は、以下の4つがメインになります。
主な業務内容
- 透析の準備
- シャント部への穿刺・抜針・止血
- 透析中の患者さんの看護
- 透析患者さんの日々の健康管理・生活指導
気になる穿刺についてですが、臨床工学技士だけが穿刺・抜針するという病院・クリニックは少ないです。
看護師も穿刺・抜針する可能性が高いと、心にとめておきましょう。
透析看護師に向いている人5選

以下の5つがマッチしていると、長く働きやすい仕事に!
実際に筆者が務めているクリニックでは、10~20年と長期間在籍しているスタッフもいますよ。
透析看護に向いている人
- 患者と長期的にコミュニケーションをとりたい人
- 何かあったときにすぐに助けを求めたい人
- ルーティンワークが好きな人
- 勉強範囲をできる限り狭めたい人
- 深夜勤務をしたくない人
患者と長期的にコミュニケーションをとりたい人
透析は、コミュニケーションが好きな人にぴったりです。
透析患者は週2~3回、1回3~4時間ほど治療のために通院します。
長期的に治療を行っていく必要もあるため、同じ患者さんとコミュニケーションを取り続けられます。

患者としっかりコミュニケーションをとっていきたい人や、患者が激しく入れ替わっていく看護に疑問を持っている人にはおすすめですよ。
何かあったときにすぐに助けを求めたい人
透析は、個室管理ではなくオープンフロアなことが多い環境。
そのためスタッフ同士で声をかけやすく、助けを求めやすいです。
何か異変があれば、すぐに気付いてくれますよ。

自分だけで、悩みながら対応しないといけない状況を回避できます。
ルーティンワークが好きな人
透析は、毎日同じ業務を繰り返したいにおすすめです。
人工透析では、以下の3つを毎日繰り返しています。
- 穿刺
- 透析中の患者さんの状態把握
- 返血・抜針・止血
もちろん、血圧低下・足がつるなどの症状に対して看護対応が必要だったり、事故抜針などイレギュラー対応はあります。
しかし仕事を覚えてしまえば、基本的にルーティンワークでこなせますよ。

緊急入院をはじめとする、イレギュラー対応が多い看護に疲れている人にはおすすめです!
勉強範囲をできる限り狭めたい人
透析看護では、まず透析に関することに焦点をあてて勉強したらOK。
広い範囲の勉強が必要な一般病棟と違い、どこから勉強したらよいのか悩みにくい印象です。
筆者がはじめに勉強した内容は、以下の5つ。これを勉強したら、最低限ですが仕事はこなせました。
はじめに勉強した内容
- 透析に関連した疾患|慢性腎不全・糖尿病など
- 透析のしくみ|透析方法・機器のしくみなど
- 観察項目・ケア方法|透析実施時の手順・観察項目など
- 透析中の症状|トラブル内容や対応方法など
- 合併症|腎性貧血や皮膚装用賞など

勉強した内容は、初心者向け透析看護の書籍でほぼ網羅されていました。
効率よく勉強したい人は、初心者向け透析看護の書籍を購入するとよいですよ。
深夜勤務をしたくない人
透析看護は、「深夜勤務が辛い…」と感じている人に働きやすい環境です。
筆者が転職活動した際には、遅くても日をまたがずに終われるところばかり。深夜勤務を必須としている病院・クリニックは、ほとんどありませんでした。
とはいえ、準夜勤務を必須とするところは多かったです。しかし、日勤のみで運営しているところも、もちろんありますよ。

実際に筆者は日勤のみのクリニックで働いています。
準夜勤務もしたくない!という人は、転職の際に勤務形態を必ずチェックしてくださいね。
透析看護師に向いていない人5選

透析看護師に向かない人は、以下の5つ。
透析看護に向いていないと感じる人は、業務内容がとことんマッチしません。
実際に筆者が務める透析クリニックでも、「自分には向いていない」と3日で仕事を辞めてしまう人もいました。
とはいえ、一般病棟やクリニックとは勤務内容が大きく異なるため、「自分には合わないな」と早く気づきやすい点はメリットといえますよ。
透析看護師に向かない人
- 穿刺が苦手な人
- カレンダーどおりの休みが欲しい人
- うっかりミスが多い人
- 自分の仕事がほかのスタッフに筒抜けになりたくない人
- 仕事内容を限定したくない人
穿刺が苦手な人
針を刺すことに苦手意識を持っている人には、おすすめできません。理由は以下の2つ。
- 穿刺は透析を行ううえで必須のため
- 使用する針は15~18Gと太く、穿刺されると強い痛みがあるため
穿刺を失敗すると、患者さんに嫌われてしまうことも実際あります。穿刺が得意ではない人は、さらに苦手意識をもちやすいでしょう。
カレンダーどおりの休みが欲しい人
透析はシフト制のところが多く、カレンダーどおりの休みがないところがほとんど。透析患者さんは週2~3回治療しないと、命に関わるからです。
スタッフが充実している病院なら休みを取りやすいですが、少人数で運営しているクリニックでは連休の調整が難しい印象。
土日祝が休み・年間休日120日以上だった職場で働いていた人にとっては、休みが少なく感じる可能性があります。

筆者が勤めるクリニックでも、週休2日制で祝日は休みではありません。
しかし休日手当がついたり、春・夏・冬と季節ごとに休みが3日ずつ付与されます。
そういった妥協点を見つけられると、働きやすいですよ。
うっかりミスが多い人
どの仕事でも同じように、透析でもささいなミスが重大事故につながります。
接続部分が甘く血液が漏れていた・事故抜針に気付かず出血多量で患者さんが死亡した、という事例もあるくらいです。
少しのミスや確認不足が大きな事故につながりやすいので、きっちりした確認を忘れてしまうという人には仕事が怖くなる可能性があります。

とはいえ、筆者はうっかりミスが多いタイプ。
自分の性格を把握しているので、指差し確認を毎回行うよう気をつけています!
自分の仕事がほかのスタッフに筒抜けになりたくない人
自分の仕事をひっそりと進めたい人には、やや不向きです。
オープンフロアの職場が多い透析。患者さんとの会話が、周囲にすべて聞こえている可能性もあります。
「他スタッフとなるべく関わらずに仕事を進めたい!」という人にはおすすめできません。

とはいえ、患者さんに何かあった際には、すぐに他のスタッフかけつけてくれるという点はメリットはですよ。
仕事内容を限定したくない人
透析看護師は、透析に限定した仕事内容です。オールマイティな看護師を目指す人には、物足りない場合も。
透析看護師をやめて、ほかの分野に転職したいとなった場合に「ブランクがある」とみなされる可能性もあります。

しかし、透析はかなり専門的な分野。一度身に付けると、どこの透析病院に就職しても通用するのは強味といえます。
透析未経験だった筆者の初任の基本給は21万

透析看護は看護経験豊富だとしても、透析経験が0なら月給も1からのスタートになる可能性が高いです。
実際に、筆者も1番低い基本給からのスタートでした。
筆者の初任給内訳
- 基本給:約21万円
- 危険手当:約3万円
- 精勤手当:約2万円
- 調整手当:約3千円
とはいえ透析経験者であれば、基本給は上乗せされます!
転職活動している際も、経験者の場合は基本給30万円~と提示している所も多くみられましたよ。

透析看護は血液暴露・針刺し事故の可能性が高いため、危険手当がつくところがほとんど。
そのため、日勤のみの看護業務から比較すると、高水準ですよ。
未経験でも透析看護師になれる!

転職活動している際にも経験者優遇なところが多かったものの、未経験でも可というところはありました。
実際に筆者も未経験で透析クリニックに転職しています。ただし、未経験の人は必ず教育体制はチェックしておきましょう。
確認ポイント
- 未経験者がどれくらいのペースで1人立ちしているのか
- 技術獲得までの目標スケジュール
- 教育マニュアルはあるか
- 技術や知識について勉強会はあるか など
筆者は上記の4点に注目して、面接の際に聞確認しました。時間をかけて焦らずに育ててくれるのかを確認できますよ。

転職サイトの担当の人に、未経験者・新人の離職率を確認するのもおすすめです。
透析看護師として楽しく働こう!

透析看護師は一度知識と技術を習得すると、どの透析室でも即戦力として重宝されます。
自分に向いているのか見極めて、透析看護師として楽しく長く働きましょう!