透析看護師の仕事

【現役看護師が解説】断食にチャレンジする人必見!メリット5つとおすすめ方法を紹介

  • 「断食が健康にいいって本当?」
  • 「断食って、どんな種類があるの?」
  • 「断食にチャレンジしたいから、メリットを知りたい」

「うれしい効果ばかり」とうわさの断食。いざ挑戦しようと思っても、どんな効果や方法があるのか気になりますよね。

先に結論からお伝えすると、断食には摂取カロリーを抑えたり、アンチエイジング効果があったりとメリットが豊富。16時間だけ何も食べないなど種類もいろいろです。

この記事ではそんなメリットや、断食方法を詳細に説明。読み終わると、自分にあった断食を、注意点をふまえて実践できます。ぜひ最後までご覧ください。

断食とは?ファスティングとは同じもの

断食とは、一般的に一定の期間食事をしないことを指します。宗教的行為として行われることが多く、現在では健康につながる行為としても広く知られています。

さらに、断食とファスティングは基本的に同じもの。呼び方が異なるので別物と思いがちですが、断食を英訳するとファスティングになるのです。

断食(ファスティング)の5つのメリット

断食には、いくつものメリットがあります

はじめて挑戦するけど、「どんな効果があるのか?」「健康にもいいの?」と気になる人は、ぜひ下記をチェックしてくださいね。

摂取カロリーを抑えられる

断食を行うと、1日のトータル摂取カロリーが抑えられます。普段から食事を3食べていたところを、食事回数が減るので当然ですよね。ダイエットに必須といえるカロリー制限。断食はカロリー計算をしなくても、ダイエットの手助けになります

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とはいえ、断食したからといってカロリーの高いものばかり食べていては本末転倒です。好きなモノを好きなだけ食べるのではなく、バランスがよい食事を摂取するよう心がけましょう。

アンチエイジングになる

断食を12~16時間行うと、オートファジーが起きるのもポイントです。

オートファジーとは、「オート」が「自分自身」・「ファジー」が「食べること」という意味。体が飢餓状態になることで古い細胞が分解され、新しい細胞へと生まれ変わるのです。これは、大隅良典博士が発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞した事実。アンチエイジングにもつながるといわれています。

さらに、空腹状態になることで、「グレリン」というホルモンも分泌されます。このホルモンが成長ホルモンの分泌を促し、筋肉の合成・肌がきれいになるというメリットもあります。

おなかの調子が整う

胃腸の調子もよくなります。カロリーを抑えて空腹時間が長くなると、モチリンとグレリンというホルモンが分泌。このホルモンにはおなかの動きを活発にする作用があり、便秘も解消しやすくなるという仕組みです。

なお、断食をすると「宿便剥がし」といった、腸にへばりついたヘドロのような便を出しきれるという内容は誤り。腸壁は粘液をまとっているため便がこびりつきにくく、細胞が常に入れ替わっているので便は腸壁にへばりつけません。

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看護師の用語辞典でも、「宿便」は腸内に長い期間のこっている便を指します。断食でおなかがしっかり動くようになるので、残っている便が排出されるというからくりですね。

食事が楽しくなる

食事の満足度もアップします。断食をすることで空腹を感じるようになり、1回ごとの食事が楽しくなるのです。一食一食を大切に食べようという気持ちになりますよ。

時間が増える

自由な時間も増えます。1日の食事回数が減り、食事の準備・食べるために使っていた時間が空くからです。筆者が実際に試したところ、思っていた以上に時間が増えた感覚になりました。自分のやりたいことに使える時間が多くなり、趣味や仕事など自分の目的に打ち込めます。

断食(ファスティング)の種類を5つ紹介

ここでは、初級から上級者向けまで集めた断食方法を5つ紹介!気になるやり方や、ポイントまでご説明します。

なお、長期の断食は、体への影響が大きかったり、回復食といった断食前後の食事の知識も必要です。はじめて断食をする人は、下記のような24時間以内で終われる「プチ断食」がおすすめですよ。

【初級】16時間断食(リーンゲイズ)

1日のうち、何も食べない時間を16時間作る断食です。つまり、8時間の間に食事を済ませたらOK。人間の体は、最後に食事をしてから12時間ほどで脂肪を燃焼し始めます。そのため、毎日16時間の空腹時間を作ることで、合理的に体脂肪を減らせるでしょう。

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実際に体験したところ、朝食を抜くのが一番楽でした。睡眠時間を含めたら、16時間は意外とすぐに過ぎます。働いていると昼食まであっという間だったので、断食初心者にもチャレンジしやすいでしょう。

【中級】5:2断食

5:2断食とは、週に2日だけ1日の摂取カロリーを500kcal以下にする断食。週5日は通常の食事をしても大丈夫なので、食事制限によるストレス感も少ないのがポイントです。

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とはいえ筆者が体験したところ、気をつけていても、500kcalはすぐに超えてしまいました。野菜をメインとした食事を心がけ、カロリー計算はしっかり行う必要があります。

【上級】20時間断食

16時間断食と考え方が同様で、20時間はカロリーがあるものを摂取しない断食です。食事は4時間の間に済ませるというもの。摂取カロリーを大幅にカットすることができます。

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実際に挑戦してみると、いきなり20時間断食から始めるのは、食べるのが大好きな人にとっては辛いだろうなというのが正直な感想です。ちょっと心配という人は初級断食から開始してみましょう!

【上級】日替わり断食

1日2,000kcal食べる日と、1日500kcal食べる日を順番に繰り返す断食。つまり、今日2,000kcal食べると翌日は500kcal、翌々日は2,000kcal食べるといった流れです。

30~49歳の1日推定エネルギー必要量である2050kcal(出典:厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書)をもとに1週間のトータルカロリーを計算・比較しても、日替わり断食のほうが4,850kcalも少なくなります。2週間続けると、約1kg痩せる計算です。

【上級】イート・ストップ・イート

イート・ストップ・イートとは、週に2日24時間断食する方法。24時間断食するとは、例えば18時に食事を摂り終わった後から断食を開始したとすると、翌日の18時に食事をするというものです。

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断食が必要ない5日間は、基本的に何を食べてもOKといわれています。しかし、5日間すべてジャンクフードをはじめとする高カロリー食・栄養価を無視したものになると、断食の効果は得にくいことが予想できるので注意してくださいね。

断食(ファスティング)をするうえで気をつけること5選

断食を続けてOKな期間

断食は「何日以内までにしましょう」といった決まりはありません。筆者調べでは断食教室を行っている機関でも、断食期間が10日を超えるところもありました。

しかし、医師など専門家の指導がないまま長期間の断食を行うと、以下のようなデメリットが発生します。

デメリット

  • 筋肉の減少:代謝も落ちてしまい、リバウンドしやすい・やせにくい体になる
  • 体力の低下:筋肉が落ちてしまうので、疲れやすい体になる
  • 栄養不足:元気が出にくく、免疫力の低下・むくみやすい体になる
  • ホルモンバランスが乱れる:落ち込みやすくなったり、疲れやすい体になる。更年期障害のような症状や、月経が止まる場合もある など
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デメリットを考えると、自分だけで断食をおこなう人は、長期断食よりも24時間以内に収まる断食がチャレンジしやすいでしょう。短期間であれば食事を食べれないストレスも少ないので、継続もしやすい印象です。

断食中に食べていいもの・悪いもの

基本的に断食中は、一切カロリーを摂らないのがおすすめです。

OKな食べ物

  • コーヒー:脂肪燃焼をサポートし、食欲も抑えられる。ただし摂りすぎには注意が必要なので、カフェイン400㎎(マグカップで約3杯)に抑えましょう
  • お茶:カロリーはほとんどなく、リフレッシュ効果もある。ミルクや砂糖入れずにストレートティーの状態で飲みましょう
  • コークゼロのような人工甘味料のカロリーゼロドリンク:基本的にカロリーがなく、インスリン分泌への影響もないといわれている。ただし腸内への悪影響は心配されるので、どうしても飲みたいときだけがおすすめ

迷いやすいNGな食べ物

  • 牛乳:たんぱく質や糖分が含まれており、血糖値も上げてしまう。一般社団法人 日本乳牛協会によると牛乳200mLのカロリーは126kcaL
  • 野菜ジュース:糖質が多く含まれ、カロリーも高め
  • フルーツジュース:カロリー・糖質ともに高い
  • プロテイン:たんぱく質が多くカロリーも高いので、古い細胞を若返らせる効果があるオートファジーを止めてしまう
  • 酵素ドリンク:たんぱく質を含んでいるので、オートファジーを止めてしまう

断食中でも運動してOK

断食中に週2~3回ほどの筋トレを行うと、筋肉の低下を防ぐことができます。ただし、空腹時に運動するのは危険なので、食事を摂取してからにしましょう。

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筋肉を維持するためにも、たんぱく質が十分に摂取できるよう心がけてくださいね。

回復食が必要ない断食もある

基本的に24時間以内の断食であれば、回復食は必要ないといわれています。実際に筆者が普段通りの食事を食べても、腹痛や下痢などといった胃腸症状は起こりませんでした。とはいえ心配な人は、お粥やうどんなど消化のよいものを食べるのもよいでしょう。

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48時間以上の断食をおこなう場合は、回復食の摂取がおすすめです。長期間の断食をする場合は、医師や専門家の指示のもと行うようにしてくださいね。

自分のライフスタイルにあった断を断食にチャレンジしてみよう!

この記事では、断食のメリット・種類・ポイントをご紹介しました。

断食のメリット

  • 1日の摂取カロリーが抑えられる
  • 細胞が新しいものに入れ替わる「オートファジー」が起こり、アンチエイジングにつながる
  • おなかの動きを活発にするホルモンが分泌される
  • 食事の時間が楽しくなる
  • 食事時間が減るので、そのほかに使える時間が増える

断食の種類

  • 16時間何も食べない断食(16時間断食)
  • 1日の摂取カロリーを500kcaLに抑える日を週に2日つくる断食(5:2断食)
  • 20時間何も食べない断食(20時間断食)
  • 2,000kcaL食べる日と500kcaL食べる日を交互に繰り返す断食(日替わり断食)
  • 24時間何も食べない日を週に2日つくる(イート・ストップ・イート)

断食のポイント

  • 医師・専門家の指導のもとではなく自分で行う場合は、24時間以内の断食がおすすめ
  • コーヒーやお茶などのカロリーがないものは、断食中でも摂取OK
  • 断食中でも適度な筋トレは筋力維持に役立つ
  • 24時間以内の断食であれば、基本的に回復食は必要ない

断食には思っている以上にメリットがあり、種類も豊富だったと思います。チャレンジしてみても損はないでしょう。

自分が「これなら挑戦できるかも…!」というものを選んでぜひ実施してみてくださいね。

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